豊かな世の中なのか ― 2005/10/12 14:20
このごろ薬といえば病気を治すためのものだけではなくなってきた。
薬を飲まないと死に至る、生活の質が大きく損なわれる恐れがあるから、薬には副作用があるのを知ったうえで服用するものだった。
それが、このごろ必ずしも生命にかかわるようなものではないのに症状を改善する薬が登場するようになった。生活改善薬というものだ。
ファイザーのED治療薬・バイアグラが代表的な存在だったが、万有製薬から男性型脱毛症用薬・プロペシアが輸入販売されることになった。ちなみにプロペシアはバイアグラと同じように医師の処方箋が必要とか。保険が利かないのもバイアグラといっしょ。
世の中が豊かになった表れなのか。
やがては「立たない」「毛がない」ことが、その人にとっては死んだのと同じ意味を持つ、存在意義を脅かすと考えられるようになるのかもしれない。時代とともに価値観が大きく変わって、「その人の存在意義にかかわる」ということになれば、保険が認められるようになるのかもしれない。
とはいえ、入手したい人はいくら高くても買うだろうし、バイアグラの例を考えれば、処方薬といったってどうなることやら……。