ニューホライズン探査機(4)冥王星―カロンは連星系 ― 2006/01/08 15:32
Pluto/Charon Orbit Sun (MP4, 1,810KB)
<Pluto-Kuiper Belt mission>のNew Horizon探査機が目指す冥王星には衛星が3つある。うち最大がカロン。
地球と月の関係のように3つとも赤道上空の軌道を円運動しているが、冥王星が公転面に対して寝転んだ状態で回転しているために、3つの衛星は公転面に対して切り立った状態で冥王星の周りを回っている。太陽系では寝転んだ状態で公転しているのは天王星と冥王星だけだ。
Pluto/Charon Orbit Sunのanimationを見てもらえば分かるが、実は冥王星は波のように公転面を上下しながら公転している。これはカロンが冥王星に比べてずいぶんと大きいことが関係している。北米大陸との比較でも分かるように、カロンが大きいためにカロンと冥王星の重心が冥王星の内部にではなく冥王星よりも外側に位置してしまっている。
このため冥王星とカロンの間にある重心の回りを冥王星とカロンが回転している。宇宙にはこうした<連星系>(binary)は珍しいことではないが、太陽系では冥王星―カロンしか例がない。
なぜ、こうした特殊な関係になってしまったのか。おそらく冥王星とカロンがどのように形成されたのかと無関係ではなさそうだが、New Horizon探査機による観測で冥王星―カロンがどのようにできたのか解明されるに違いない。