コニカミノルタが一眼レフ・フィルムから撤退 ― 2006/01/20 11:25
気になるrelease
コニカミノルタホールディングスの<レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ関連の一部資産譲渡等について>
を知り、20年以上前のことを思い出した。
有機化学で修士を取得した知人がコニカの化学薬品部門に配属になったものの、新入社員の研修と称して新宿西口の量販店で店員をやらされてぶつぶつぼやいていたことだ。口では<なかなか面白いよ>とは言いながら、言葉の裏には、こんなばからしいことをさせられて、という気持ちが渦巻いているのが分かった。
当時はまだフィルムのコニカとオートフォーカスのミノルタが合併する前。もちろん他人ごとだから<大変でしょうね。まあいい経験なのでは?>などとしゃべった記憶がある。
残念ながらデジタルの波に乗れずにフィルム、一眼レフから撤退することになってしまったが、その知人は基軸部門をソニーに委譲されることになったと聞いて、いやいやながら会社の指示だからといって従った研修をどう振り返るのだろうかと思った。
過去の努力が時の流れとともに踏みにじられるのは世の常だが、やるせない。つい、サラリーマンの性と割り切ってしまうが、社会の底流にある、こうしたなんともいえないもどかしさがニートを生む背景にもなっているのではないかと、ふと思った。