コミュニティ・スクール ― 2005/11/09 12:34
三鷹市の学校で日本IBMの社員がボランティア授業
小・中学校の周辺に住む地域社会の人々による学校の教育活動への参加を促すことで、学校を地域のコミュニティ・スクールとして位置づけようとする動きが活発になっている。
地域ボランティアに参加を仰いで、子どもたちに体験談を披露してもらったり得意分野を生かして授業をしてもらったりと、子どもたちにとっては人としての行き方を習得するキャリア教育の場としても大きな役割を果たすと期待されている。
新たな動きとして注目されるのが企業のボランティア参加。三鷹市が地域社会と学校を結びつけようと、2002年4月から市内計19の小・中学校をつないだイントラネット網を構築するのに共同で取り組んでいる日本IBMが4月から、社員ボランティアを三鷹市に派遣して子どもたちに授業を教える活動を展開するようになった。
9月からは、イントラネット網を通して学校からの授業のリクエストが社員ボランティアに電子メールで届くシステムが稼動を開始。ボランティア登録した38人の社員のうち6人が5回にわたって授業をしている。
[教育ボランティアとして中学生に授業を教えるIBM社員](mp4,4,021KB)
地域住民に加えて、企業単位でのボランティア参加によって一段と学校教育がバラエティーに富んだ内容となっているという。
三鷹市では、これまでに子どもたちや地域住民、先生の計6800人がイントラネット網を活用。互いにホームページなどを質問しあったり、学校行事を伝える映像を見たりとコミュニティー活動を続けている。
2007年には団塊の世代が一斉に定年を迎える。毎日、会社にいく生活から、毎日家にいる生活をするようになって、団塊の世代が退職後にいかに充実した生活を送るかが大きな問題となっている。三鷹市のイントラネット網のように学校と地域社会をつなぐ情報網を構築することで、団塊の世代の学校教育への参加も期待できる。
企業単位での学校教育へのボランティア参加は時代の流れなのかもしれない。
ハイブリッドが流行 ― 2005/11/09 18:47
2007年夏、小海線にハイブリッド列車が走る
ハイブリッド車に積極的に取り組んでいるトヨタが業績を伸ばすなど、原油が高騰していることもあってエネルギーを有効活用できるハイブリッド車に対する人気が高まっている。ハイブリッド車を投入する自動車メーカーが相次いでいると思ったら、鉄道の世界にもハイブリッドが登場するという。
JR東日本がハイブリッド鉄道車両(キハE200形式)3両を2007年夏から小海線(小淵沢~小諸間)に走らせる。ハイブリッド車両を営業運転するのは鉄道では世界初という。
これを聞いて10年以上も前の1992年に東京電機大学工学部電子工学科の藤中正治教授が、小海線の沿線に太陽電池を並べて発電した電気で列車を走らせたらどうかと提案していたのを思い出した。
藤中先生は当時、次のように試算していた。
- 最多10編成が走行
- 一編成当たり600kwとして最大6000kw消費
- 必要となる太陽電池の広さは6万平方m
小海線は沿線に清里などリゾート地が広がっているが、電化されていないためにディーゼル方式の鉄道車両が走っている。せっかくの観光地を排気ガスで汚染してしまっては悲しいというのが藤中先生の考えでもあった。日射量も十分にあることから太陽電池で十分に電力を賄うことができるというアイディアだった。
ハイブリッド自動車はガソリンエンジンとモーターを組合わせ、走行開始時などエンジン効率が悪い速度領域ではバッテリー(ニッケル水素電池やリチウムイオン電池)でモーターを駆動させる。高速走行時にはエンジンを活用して発電機を回してバッテリーを充電するほか、減速時にはモーターを使って運動エネルギーを電気エネルギーとして回収(回生)する。
JR東日本のハイブリッド鉄道車両の場合はディーゼルエンジンとモーターのハイブリッド方式。藤中先生の考えたオール電化というわけにはいかないが、屋根に取り付けた太陽電池と回生エネルギーでバッテリーを充電することで、燃料消費を1割削減することができるという。
もちろん騒音や排気ガスも。
自動車場合はハイブリッド化によって燃費がざっと2倍になるのと比べると燃費の改善度は少ないが、藤中先生の構想が形を変えて実現したようなものだと思うと一段と懐かしさがこみ上げてくる。とはいえ小海線で太陽電池によるオール電化が10年以上たっても実現しなかったことを考えると、太陽電池による発電システムはコスト面でも改善の余地がまだまだ残されているということを物語っている。